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2026SS

ここでしか見られない黒

お店の中でも特に好きな作品のひとつであるPETROSOLAUMのH Chukker(BLACK)
先日、当店で開催いたしましたPETROSOLAUMの展示受注会にて、デザイナーの荻野さんとお話しする中で驚くべき事実を伺いました。



なんと今季このH ChukkerをクードゥーレザーのBLACKでオーダーしているのは、全国でもSolitaryだけとのこと。
意図したわけではないのですが、実質的な「別注」です。
現在、この組み合わせの作品を実際に見ることができるのは当店だけという、非常に希少な作品となっています。





そもそもクードゥーレザーといえば、南アフリカの広大な大地を生き抜いた証である「生々しい傷跡」がそのまま残る、野趣に富んだ表情が最大の持ち味です。
その荒々しい質感やダイレクトな風合いを存分に味わうのであれば、本来はNATURALやBROWNといったカラーを選ぶのが定石と言えるでしょう。

H Chukker(NATURAL)





では、なぜSolitaryではあえてBLACKでオーダーしたのか?
結論から言ってしまえば、完全に私の個人的な好みです。



以前に書いたBlogでも少し触れましたが、これまで様々なブランドの靴に足を通してきて、巡り巡って最終的に一番しっくりとくるのは、結局のところ「黒い靴」でした。
足元に黒を据えることで、全体のスタイリングがグッと引き締まり、揺るぎない安心感が生まれるのです。



ただ、黒なら何でも良いというわけではありません。
革靴を買い出した頃は、それこそビカビカに磨き上げられた強い光沢を持つ端正な革靴に強く惹かれていました。
しかし、年を追うごとに自身の価値観も変化し、いつしか主張しすぎない「控えめであること」の美しさに心惹かれるようになっていきました。



その点、このクードゥーのBLACKは私の今の気分にこれ以上ないほど合致しています。
強い光沢ではなく、奥ゆかしく鈍い艶を帯びており、光の当たる角度が変わるごとに、野生の過酷さを物語る無数の傷跡や独特の肌目がジワリと浮かび上がってくるのです。



ホースレザーやカウレザーの黒とは全く異なる、底知れぬ奥行きと豊かな表情。
決して派手ではないのに、確かな存在感を放っている。
そのさりげない迫力にすっかり惚れ込んでしまいました。



私がこの靴を眺めていて特に惹かれるのが、アッパーからタンへと繋がる特徴的な構造です。
紐をきゅっと締めたときに、まるで山の稜線のように美しく盛り上がる立体的な表情が、たまらなく格好いいなと思うのです。
隆起したアッパーと鈍く艶めく黒の中に深い陰影が現れた、その佇まいにはいつも見惚れてしまいます。





アイレットが3つだけのすっきりとした顔立ちでありながら、蛇腹に折り畳まれるタンのおかげで足を包み込むようなフィット感もしっかりとあります。
紐を緩めると履き口が大きく開いてくれるので、脱ぎ履きもしやすい点も嬉しいポイントです。





作品ページにも様々な角度からの詳細な写真を掲載しておりますので、光を浴びてジワリと浮かび上がるクードゥーレザー特有の表情を是非ご覧ください。



執筆者 中村鴻大

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