離れた場所に
これまでのブログでは、店内のテーブルや壁などSolitaryの内装について触れてきました。
実はもう一つ、このお店を象徴するものがあります。
それは、出入口脇に掲げている小さな看板です。


遠くでも目に入るような大きなものではなく、近くまで来てから気付くような、さりげないものです。

この看板は、オーナーの知人の方に制作していただいたものです。
素材には真鍮を使用しています。
真鍮は雨や風にさらされることで少しずつ表情が変わり、時間の経過とともに独特の風合いが生まれていく素材です。
新品の状態の美しさとはまた違い、使い込まれた道具のような深みが生まれていきます。

縁は綺麗に整えず、あえて歪な形に。
表面には不規則な槌目。
均一に整えられたものではなく、そこには手仕事ならではの揺らぎや温もりが感じられます。



「Solitary」という文字が、中央ではなく少し離れた位置に刻まれているのにも意味があります。

以前のブログでも綴ったのですが、Solitaryはトレンドや分かりやすい正解が集まる街の中心地からも物理的に離れた場所にお店を構えています。
この文字の位置も、そうしたお店のあり方を重ねるように、あえて中央ではなく離れた場所に刻んでいただきました。
Solitaryでは、確かな価値を持ったものや、手仕事による揺らぎや温もりを感じられるものを大切にしています。
整いすぎたものではなく、どこかに人の手の痕跡が残るもの。
この看板の佇まいも、そうした考え方と自然と重なっています。
大きく主張するものではありませんが、この小さな看板にはSolitaryのコンセプトが凝縮しています。
そんな存在として、入口脇にさりげなく掲げています。
ご来店の際には、こちらにもふと目を向けてみていただけたら嬉しいです。
執筆者 中村鴻大


