つながり
最近、お店に来てくださるお客様のことをふと考えることがあります。
まだお店を始めてそれほど長い時間が経ったわけではありませんが、ありがたいことに県内外から通ってくださるお客様が少しずつ増えてきました。
中には遠方から何度も足を運んでくださる方もいらっしゃり、本当にありがたいことだと日々感じています。
ブログを読んでくださっている方も多く、「あのブログ読みました」と声をかけていただくこともあります。
こうして文章を通してお店のことを知っていただき、実際に足を運んでいただけることも、とても嬉しいことの一つです。
Solitaryは過去のブログでもご紹介したように白山の麓、豊かな自然に囲まれた場所にあります。
その環境もあるのか、ゆっくりと過ごしていかれるお客様が多いように思います。
作品の話で盛り上がることも多いのですが、それだけではなく、気づけばプライベートな話になっていることもよくあります。
服の話から始まって、いつの間にか全く違う話になっていたり、思いがけない共通点が見つかることもあります。
そういったやり取りを重ねていく中で、少しずつ人とのつながりが生まれていくことも、この仕事の面白さの一つです。
近年では人材不足やコスト削減の影響もあり、飲食店やコンビニをはじめ、多くのお店で注文や会計のセルフ化が進んでいます。
また、インターネットを通じてあらゆるものが簡単に購入できる時代でもあります。
便利なものを否定したいわけではありませんし、私自身もそういったサービスを日常的に利用しています。
ただ、実際にお店に足を運び、人と会話をしながらものを選ぶ体験には、また違った価値があるのではないかと感じています。
そしてそういった価値観は、服を作る側にも共通しているように感じます。
当店でお取り扱いさせていただいている Sans limite も、そういった姿勢を感じるブランドの一つです。
SNSやオンラインストアが当たり前になったこの時代ですが、メディアやECサイトでの露出は極端に少なく、取り扱い店舗も決して多いわけではありません。
あえて販路を広げすぎない、どこか硬派な姿勢を感じるブランドです。
実際に手に取って見て、素材や仕立てを感じてもらうこと。
そしてお店の人と会話をしながら、ゆっくりと作品と向き合ってもらうこと。
そうした体験を大切にしているからこそ、あえて販路を広げすぎない形を選んでいるのではないかと感じています。
画面越しでは伝わらないことも、実際に手に取ることで感じてもらえることがありますし、会話の中で初めて見えてくる魅力もあります。
お店という場所は、作品を販売するだけの場所ではなく、そういった体験を共有できる場所でもあるのかもしれません。
こうして足を運んでくださるお客様がいらっしゃることに感謝しながら、これからも作品の魅力や、この土地ならではの空気を少しずつ発信していけたらと思っています。
そうした積み重ねが、また新しい「つながり」へと広がっていくのだと思います。
執筆者 中村鴻大


