上質な生地をまたも大胆に
どどどっと立て続いた入荷もほんの少し落ち着いたかと思った矢先、Sans limiteよりまた新作が届きました。
・SH04B THOMAS MASON ボックスワイド3本針シャツ(NAVY STRIPE)

Sans limiteが毎シーズン色柄を変えながら展開している、インポート生地を使用したシリーズ。ここ最近のBlogでもTHOMAS MASONの上質な生地を使用したレギュラーカラーシャツやボックスレギュラー2本針シャツをご紹介してきましたが、今回は3本針シャツに載ってやってきました。
ブランドを代表するモデルのひとつであるボックスワイド3本針シャツ。全体に程よくゆとりを持たせたボックスシルエットに、大きすぎず小さすぎないワイドカラー、2つのステッチラインが走る2枚袖のパターンが印象的なデザインです。


そして、このモデルを語るうえで外せないのが、3本針ステッチによって生み出される激しいシワやパッカリング。
「2本から3本になっただけでしょ」なんて思ってはいけません。
2本針でも十分に迫力のあったシワやパッカリングですが、3本針になるとまた異なる激しさを見せます。

2本針ではシングルステッチだった縫製ラインを、こちらではチェーンステッチで縫い上げています。洗いによって大きく波打った生地の凹凸に、太い糸で縫われたステッチそのもののボコボコとした凹凸まで重なり、縫い目だけを見てもかなり荒々しい。




袖や袖ぐり、脇線に加え、肩線からバックヨークにまで走らせた3本針。ギャザーが入れられたかのような陰影が現れており、後ろ姿にはかなり迫力があります。


そんな荒々しい仕立てに合わせられたのが、NAVYをベースに細い白線を二本ずつ並べたダブルストライプ柄の生地。
深いNAVYの色合いに白い線が均等な間隔で並び、細番手の糸で織られた生地には滑らかな肌触りとしなやかさ、美しい光沢があります。


パッと見ただけでも伝わる、綺麗な雰囲気。規則正しく並んだストライプと上質な生地ならではの艶。そのまま仕立てればすっきりとした印象のシャツになっても不思議ではありません。
しかし、そんなことは気にせず3本針で縫い上げることで見え方は一変。無地の生地でもシワやパッカリングの迫力は十分に伝わりますが、ストライプになると、縫製によって生地がどれだけ動いているのかまで目で追うことができます。


肩から袖へ伸びる線は縫い目の周囲でぐにゃりと曲がり、脇線では縦に並んでいたストライプがステッチに引っ張られ、線と線の間隔まで違って見えるほど歪んでいます。
ストライプ柄ではなく、その線が崩れている部分に自然と目が吸い寄せられる。
綺麗な生地を使いながら大胆に扱う、なんとも贅沢な生地使い。
そんな遊び心もまたSans limiteらしいなと感じます。
※Sans limiteの作品はこちらからご覧いただけます。
執筆者 中村鴻大

