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履き込んだ先に現れた表情
MITTAN

履き込んだ先に現れた表情

MITTANというブランドを紹介する中で、「着続けた先、どう変化していくのか」という点についても、一度きちんと触れておきたいと思っていました。

素材や構造の説明だけでは伝えきれない部分は、どうしても時間を経た姿でしか見えてきません。

ここで、私物として履き続けている亜麻苧麻ワイドパンツの経年変化を新品と並べ、現時点での記録として残しておきたいと思います。

・左(新品)右(着用品)


着用期間はおよそ2年弱。
前回の紹介からさらに5ヶ月ほどが経ち、その間は週に3〜4日ほど着用しています。
季節をまたぎながら履き続けた現在の状態が、こちらです。

・着用品


購入当初の生地は、麻素材とは思えないほど硬さと密度がありました。
ハリが強く、シルエットも直線的。
「最初から着心地の良い」タイプの生地ではありませんでした。

しかし着用と洗濯を重ねるにつれ、生地の印象は徐々に変わっていきます。
現在は全体的に毛羽立ちが生まれ、触れたときの角が取れたような質感に。
色味も薄くなり、墨黒特有の深さの中に、柔らかなムラが見えるようになりました。

左(着用品)右(新品)


特に変化が分かりやすいのは、日常的に擦れやすい箇所です。
ポケット周辺やヒップ、膝、裾などは、生地表面にアタリが現れ、風合いが増しています。

左(着用品)右(新品)

左(新品)右(着用品)

 

また、膝部分は生地がわずかに伸びており、平置きにしても平にならず余った状態に。
新品時とは異なり、自然な動きのあるラインになりました。

左(着用品)右(新品)

・新品膝部分

・着用品膝部分


一方で、生地が薄くなったり、弱くなった印象はありません。
柔らかさは増していますが、コシは残っており、全体のシルエットは保たれています。

裾は大体2回ロールアップして履くことが多いため、折り目の癖がついています。
表側は比較的穏やかですが、折り返した裏の部分にはしっかりアタリが出ています。

・上(着用品)下(新品)

左(着用品)右(新品)

・折り返した内側のアタリ


両脇の縫い目に沿って淡くフェードしている様子も確認できます。

左(着用品)右(新品)

 

綿のパンツやデニムとは異なり、麻素材でここまで明確な経年変化が現れることは、履く前には想像していませんでした。

軽やかさだけで語られがちな麻素材ですが、堅牢に織り上げられた亜麻苧麻生地は、着用を重ねることで別の表情を見せてくれます。

一つ前のブログでもご紹介したように、MITTANでは修繕や染め直しも行なっています。
この亜麻苧麻ワイドパンツを今後さらに履き込み、変化が進んだ先の姿を想像するとワクワクします。
このまま履き続けるか、修繕や染め直しに出すか。
どちらにせよ、まだまだ進化を残している魅力的なパンツです。

購入時には想像していなかった変化が、時間をかけて少しずつ積み重なってきました。
新品の状態だけで判断するのではなく、着用を重ねた先にどのような姿になるのか。
そうした視点で服を見るきっかけとして、今回の経年変化が参考になれば幸いです。


北陸は大寒波襲来中ですが、Solitaryの魅力がいつにも増して感じられる雪景色が見られます。
そちらも合わせてお楽しみくださいませ。

 

執筆者 中村鴻大

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