先のブログでは、独創的なフォルムを持つH Chukkerについて綴りましたが、こちらのConnect Loopもまた大きな特徴を持ったPETROSOLAUMオリジナルのデザインです。


アッパーはトゥから内側の踵付近までが一枚の革で構成されており、外側のアイレット部分もそのまま内羽根のように繋がる作りに。
内側にもアイレットが繋がったパーツを縫い合わせており、外羽根のような構造となっています。


アイレットはそれぞれ1箇所のみのため、シューレースを結ぶと輪のような形が現れます。
この構造こそが、「Connect Loop」という名前の由来です。
一見するとミニマルなデザインですが、足を通してみるとその構造の妙を感じることができます。
アイレットが1箇所のみと聞くとホールド感に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には足が抜けるような感覚や緩さを感じることはなく、甲を柔らかく包み込むようなフィット感があります。
素材に用いられている革にも強い存在感があります。
今回使用されている革は、時間をかけてじっくりと鞣されるピット槽鞣しによって仕上げられたもの。
タンニンを含んだ液に長時間漬け込みながら繊維の奥まで浸透させていく、非常に手間のかかる伝統的な製法です。
そのため革の内部はしっかりと締まりながらも、もちもちとした弾力を感じる質感に。
以前ご紹介したH Chukkerで使用されていたクードゥーの革が持つ野性味とはまた違い、こちらは荒々しさを内側に秘めたような力強い表情を持っています。

クラック加工による色合いや表情も非常に印象的。
BLACKはブラウンに染められた革の上から黒の顔料を塗り重ねており、単なる黒ではなく焦茶のような奥行きのある色合い。


一方のWHITEはヌメ革の上から白い顔料を塗り重ねた仕上げ。
真っ白というよりも、ほんのりと黄みを帯びた柔らかな色味が印象的です。


こちらもPETROSOLAUMのハイエンドラインである03lastを採用しています。
程よい丸みがあり、踵はコンパクトで吸い付くようなフィット感を味わえます。
今回こちらの作品ではマッケイ製法による底付けでオーダーいたしました。
ミニマルなデザインに加え、コバの張り出しが比較的控えめで、外側から縫い目も見えないためスッキリとした印象に。
革の面白さもより際立つように感じます。
03lastらしい圧巻の作り込みは健在。
手吊り込みによるタックホール。

革を薄く切り開き、縫い目を隠すヒドゥンチャネル。
美しい曲線を描きながら優雅に盛り上がるフィドルバック。
そして丁寧に打ち込まれたウッドペイス。


何度見ても惚れ惚れしてしまう手仕事の痕跡。
ミニマルなデザインであるほどに、こうした作り込みやアッパーの革使いの面白さが存分に感じられます。
素材、構造、そして手仕事の積み重ねが静かな佇まいの中に凝縮された作品です。
じっくりと向き合うほどに、その魅力が伝わってきます。
是非、手に取ってご覧いただきたく思います。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
執筆者 中村鴻大


