ガラリと印象の変わったお気に入りの形
KLASICAの数ある作品のなかでも、個人的にとても気に入っているボリュームのあるワイドシルエットが特徴の”FIFTY-TWO”。
・Wide & Tapered Mil Pants "FIFTY-TWO"(BLACK)



昨シーズンはコットンギャバジン生地で展開され、そちらも素晴らしい仕上がりでした。
そして今シーズンは和紙とリネン糸で高密度に織り上げた平織り生地を採用し、前作からガラリと印象の変わった佇まいに仕上がっています。
重厚感のあるBLACKというカラーに、ボリュームのあるワイドシルエット。
一見するとどっしりとした重みのある見た目ですが、実際に足を通すと意外にも軽快な穿き心地に驚かされます。
和紙特有のカサッとした乾いた質感に、リネンならではのぷるんとした弾力感。
これらが重なり合うことで、見た目の重厚さからは想像がつかないほど軽量で、肌離れの良さと心地良い清涼感が生まれます。
また、ただ軽量なだけではありません。
高密度に織り上げられているため生地にはしっかりとしたハリがあり、腰から裾にかけて綺麗に落ちてゆく立体的なフォルムを形成します。


インタックやメタルボタンをあしらったヒップのフラップポケットなど、ミリタリー由来の無骨な要素を踏襲したデザインです。


それでも決して野暮ったく見えないのは、すっきりとしたレングスと、緩やかにテーパードをかけたシルエットの絶妙なバランスのおかげ。
ヴィンテージを踏襲しつつも、あえて余計な装飾を足さず生地やシルエットのバランスだけでモダンにアップデートさせた、KLASICAらしさが詰まった作品です。
過去のBlogでも度々書いてきましたが、ゆったりとしたパンツを半端丈やロールアップで短めに穿くのが好きな私としては、このパンツのシルエットバランスはまさに好みにドンピシャでした。
ミリタリーのルーツを感じさせつつも、BLACKというカラーが全体を引き締め、どこかモードな雰囲気も漂わせます。そのため、ジャケットなどを合わせたスタイリングにはスラックスのように馴染み、カジュアルな装いでは、程よく力の抜けたリラックスしたムードを演出してくれます。
重厚感のある黒を纏いながらも、軽やかな生地が風を孕んで涼しく抜けていく。
ミリタリーの無骨さとモダンなムードが同居するこちらのパンツは、スタイルを限定することなく、日常の着こなしの幅を広げてくれるでしょう。
執筆者 中村鴻大


