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カート

カートが空です

「似合わない」の正体

何かをおすすめしたとき、「これは似合わない気がする」と言われることがよくあります。
その言葉を聞くたびに、私はいつももったいないなと思ってしまいます。



そもそも、本当に「似合わない」のでしょうか。
例えば、新しい髪型に挑戦した日のことを思い出してみてください。
美容院の帰り道、ふと鏡に映る自分の姿を見て、なんだかソワソワした経験は誰にでもあるはずです。



「ちょっと切りすぎたかな」
「やっぱり前のほうが落ち着いたな」



なんて、落ち着かない気持ちに。



でも、数週間もすればどうでしょう。
その髪型はすっかり自分のものになり、むしろ前の髪型を写真で見返すと、なんとなく野暮ったく見えたりするものです。



たった数週間で、髪型が急にその人に似合うように変化したわけではありません。
自分も、周りの人も、単にその新しい姿に「見慣れた」だけなのです。



ファッション、新しいスタイルへの挑戦も、これと全く同じだと思っています。
今まで選ばなかったようなテイストの服を着たときや、少し背伸びをしたアイテムを手にしたとき。



「似合っていない気がする」
「なんだか変な気がする」



と感じるのは、ごくごく自然なことです。
それは自分が、長年かけて築いてきた見慣れた自分から一歩外に出た証拠だからです。



今の時代、パーソナルカラーや骨格診断などの便利なデータや目安を探そうと思えばいくらでも見つかります。
たしかにそういったデータから得られるものは、ある程度参考にはなるもしれません。



ただ、そうしたデータや目安に囚われて失敗しにくい無難なものばかりを選んでいたら、そこから先の世界は永遠に広がっていきません。
そもそも、正解なんて最初からあるわけではないのです。



やってみなければ、身につけてみなければ、それが本当に自分にとって心地よいものになるかどうかなんて、誰にもわかりません。
違和感を覚えるのは自分に似合わないのではなく、新しい自分に出会うための入り口です。



少し気になるけれど「似合わないかも」と躊躇するものに出会った時には、どうかその言葉で自分の可能性を狭めないでほしいなと思います。
それはきっと、似合わないのではなく、ただ「見慣れていない」だけです。



思い切って手にして、しばらく経った頃には「なんで今までこれを選ばなかったんだろう」と思えるかもしれません。



執筆者 中村鴻大

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