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2026AW

新たに - Aviva Jifei Xue -

店頭へお越しいただいた方には少し前からお話ししておりましたが、Solitaryに新しいブランドが加わりました。


ニューヨークを拠点に活動する「Aviva Jifei Xue(アヴィヴァ ジフェイ シュー)」。


ファッションがお好きな方であれば、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
世界的にも知られる名門、パーソンズ美術大学でファッションを学んだデザイナーAviva Jifei Xueが、2020年に自身の名を冠して立ち上げたブランドです。

 

いわゆるアルチザンブランドに分類されると思いますが、その中でも特に生地の作り込みには目を見張るものがあります。


日本の織物工場と協力し、天然繊維を用いたオリジナルの生地は、糸の種類や織り方、染色に至るまで細かく考えられており、一見しただけではどのように作られているのか想像できないような生地も少なくありません。


名古屋で三代続く織物工場をはじめ、奄美で伝統的な染色技術を受け継ぐ職人や、陶器ボタンを製作する作り手など、日本で長年培われてきた技術を持つ人々との関係を大切にしていることも、このブランドを語る上では欠かせない部分です。



日本製の生地やボタン、染色を施した素材を用い、中国にある小さなアトリエで、ごく少人数の職人によって一点一点時間と手間を惜しまず製作されています。


そんな生産背景を知ると、手仕事を重んじる硬派なブランドを想像するかもしれません。


もちろん、素材や製法へのこだわりは非常に強いのですが、実際の作品を見てみるとその印象だけでは収まらない面白さがあります。


デザインの根底にあるのは、昔から親しまれてきたクラシックなメンズウェア。それらを女性デザイナーであるAvivaの感性によって、柔らかく、自由なシルエットへと再構築した独自の空気感が特徴です。


大胆にボリュームを持たせたシルエットや、可愛らしさを感じる色柄の組み合わせ、手仕事による不均一なディテール。
生地は非常に凝っているのに、出来上がった作品には肩肘張ったような雰囲気がなく、むしろ少し愛嬌すら感じられます。


私はこのバランスがとても好きです。


その魅力がよく表れているのが、ブランドを代表するモデルのひとつである「Cocoon Pants」。

・Cocoon Pants - Yak Linen Cotton Cord -(MOSS)

 

腰周りから腿にかけて大胆なボリュームを持たせ、裾に向かってふっくらと丸みを帯びた独特なシルエット。


迫力のある太さですが、やや短めに設定されたレングスも相まって、なんとも柔らかなフォルムに仕上がっています。




使用されているのはヤク、リネン、コットンを組み合わせたオリジナル生地。
一見するとコーデュロイのようにも見えるのですが、実は織りによって立体的な畝を表現したもの。ふっくらとした毛羽感と素朴で粗野な風合いがあり、ボリュームたっぷりのシルエットとの相性も抜群です。


続いては、ゆったりとした身幅に対して着丈をやや短めに設定した「Boxy Shirt」。

・Boxy Shirt - Hemp Silk Herringbone -(FLECKED BEIGE)


こちらの作品では、染色を施していないヘンプと、色とりどりの粒が混ざったシルク糸を組み合わせたヘリンボーン生地を使用しています。




生成りを基調とした素朴な生地ですが、近づいてみると赤や青、緑、黄色などの小さな粒がポツポツと散らばっており、なんとも楽しい表情です。


こちらの作品では赤みのある陶器ボタンが合わせてられており、生地のマルチカラーと相まって、可愛らしさがさらに増しています。

 

同じシャツでも、また違った魅力を持つのが「Grandpa Shirt」。

・Grandpa Shirt - Dobby Stripe Herringbone -(RAISIN)


こちらはブランドの中でも特に大きなサイズ感で作られた、オーバーシルエットのシャツです。
個人的には、今回入荷した作品の中でも特に生地の作り方が面白いと感じたもの。


初見では、経糸を部分的に抜いているのかと思いましたが、実際にはドビー織機によって緯糸を浮かせることでこの独特なストライプを表現しています。




ヘリンボーン組織が切り替わる部分には、まるで生地を継ぎ合わせたような表情があり、シンプルなデザインだからこそ、その迫力が際立っています。


そして、アウターの「Short Mac Coat」。

・Short Mac Coat - Wool Linen Silk Cashmere Check -(BROWN CITRUS)



ブランド定番のマックコートをベースに、着丈を短く設定したデザインのハーフコートです。
ゆったりと身体を包み込むようなシルエットに、背面に設けられたトレンチコートを思わせる大きなフェイクフラップが印象的。




生地にはウール、リネン、シルク、カシミアを組み合わせたオリジナルのタータンチェック生地を使用しています。


ベージュとダークブラウンを基調に、イエローやオレンジが混ざり合った糸で細かな格子が重ねられており、クラシカルでありながらも可愛らしさを感じる色使いです。




個人的にはGrandpa Shirtの生地に続き、このチェック柄もとても気に入っています。
可愛らしいと言いつつも甘すぎない独特な色合い。ほんのり渋みも感じられる絶妙なバランスの生地です。



その生地に合わせたこちらの陶器ボタンも非常に魅力的。





こちらのボタンはすべて手仕事で製作されており、一つ一つの形や色合いが微妙に異なる揺らぎのある表情が特徴です。
釉薬の濃淡や細かな気泡の跡、陶器ならではの素朴な温かみがあり、手仕事ならではの美しさが感じられます。

 

こういった細かな部分まで含めて眺めていると、職人の技術を大切にしながら洋服を作るという、ブランドの考え方が随所に現れているように感じます。


Aviva Jifei Xueの作品は、まず見た目のシルエットや色柄に惹かれ、そこから生地を触ったり、細部を眺めたりするうちに、さらに興味が深まっていく。そんな楽しみ方のできる服だと思います。


今回ご紹介した作品以外にも入荷しておりますが、まだオンラインストアに掲載しきれていないものもございます。準備が整い次第、順次ご紹介いたしますので、今しばらくお待ちください。


吊るしているだけでは伝わらない、生地の質感やシルエットの魅力を是非お手に取ってご体感くださいませ。

 

※Aviva Jifei Xueの作品はこちらからご覧いただけます。

 

執筆者 中村鴻大

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