明るさと渋さが溶け合うsepia
深みのある黄色をベースに、墨染めの濃淡が重なり合うことで生まれた「sepia」。
手染めだからこそ表現できる激しい色ムラや、幾重にも重なったシワが、不均一で素朴な風合いを生み出しています。
今回は、その独特な色彩を纏った灰草のClassic Shirtをご紹介いたします。
・Classic Shirt(sepia)


黄色と聞くと鮮やかな印象を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、こちらのsepiaはそうした印象とは全く異なっています。
光を受けると黄色が柔らかく浮かび上がり、影に入ると墨の黒さが静かに深みを増す。明るさと渋さが自然に溶け合い、見る角度や光の加減によって印象を変えてゆく。その奥行きのある色合いに、自然と目が留まります。
手で染め、揉み込み、シワが幾重にも重なってゆくことで、生地の表面には濃淡やかすれ、染料の溜まりが不規則に現れています。
色だけを見せる染めではなく、生地が持つ質感や織りの表情まで引き立てるような染め。
そのため、近くで見るほど豊かな表情が伝わってきます。


整った美しさではなく、手仕事だからこそ生まれる不均一な揺らぎ。その揺らぎが、この作品ならではの奥行きを生み出しています。
生地には、経糸に綿の80番単糸、緯糸には100番単糸のラミー糸を用いて高密度に織り上げた綾織生地を使用。
綿ならではのしなやかさと、ラミーならではのハリを兼ね備えた生地ですが、染め上げることで表面はバサッとした質感へと変化し、灰草らしい荒々しさと力強さが際立つ佇まいに仕上がっています。
Classic Shirtは、形だけを見ればごくシンプルなシャツです。
だからこそ、生地の質感や染めの表情、手作業で削り出されたボタンなど、一つひとつが自然と目に入ります。
余計な装飾を足さないことで、素材や手仕事の魅力がより素直に伝わってくるように感じます。


シルエットは、アームホールをやや細めに設定し、腕周りをすっきりと見せながらも、身幅には程よくゆとりを持たせています。裾のラウンドも緩やかで、全体としてはボックス気味のシルエットです。
着用サイズは3(169cm 77kg)。
肩幅 47.5cm
身幅 59cm
袖丈 66cm
着丈 79cm

当店では、灰草の空気感や世界観を残しながらも、より日々の装いに取り入れやすいバランスを目指し、着丈を通常より2.5cm短くオーダーいたしました。
わずかな調整ではありますが、生地の持つ力強い表情に対してすっきりとした印象が加わり、現代的な空気感で纏っていただける仕上がりになっています。
手仕事ならではの揺らぎや豊かな表情を、是非袖を通して感じていただければと思います。
なお、灰草の作品はブランドの意向により、ONLINE STOREでの掲載を控えさせていただいております。
作品の詳細につきましては、お電話またはメールにてお気軽にお問い合わせくださいませ。
執筆者 中村鴻大


