シャツらしさを残しながら
昨シーズンに店頭へ並べた時から、また別の生地でも見てみたいと思っていたのが、YUTA MATSUOKAのCollarless Shirt。
今季は、その気に入っていた形が異なる生地で届きました。

どちらも生地そのものに見どころがありますが、まず目を向けていただきたいのは、シャツでありながら長袖のカットソーにも見える、この形ならではの絶妙なバランスです。
フロントにはシャツらしくボタンが並び、裾も緩やかな曲線を描いていますが、襟やヨーク、カフスといった一般的なシャツらしいディテールを削ぎ落としています。ポケットなどの装飾も省かれているため、見慣れたシャツとは少し異なる印象に仕上がっています。
襟がないことで首元はすっきりと見え、スタンドカラーとも違う中性的な雰囲気。
前を閉じてもかっちりとしすぎず、長袖のカットソーのような感覚で気負わず袖を通せて、ボタンを開ければ羽織りとしてもご着用いただけます。

ジャケットやブルゾンの内側に重ねた際にも、襟同士が干渉せず収まりが良い。一枚でシャツとして着るだけでなく、季節や気温に合わせて役割を変えられる、汎用性の高いデザインです。
肩や身幅にはゆとりがあり、男性が自然に着られるのはもちろん、女性がサイズに余裕を持たせて着ても、この形の中性的な雰囲気がよく引き立つように思います。
・Airflow Canvas Collarless Shirt(OFF WHITE)



こちらの作品では、60番手単糸で織り上げた、リネン100%のキャンバス生地を使用しております。
キャンバスと聞くと厚みや硬さのある生地を思い浮かべますが、こちらは風通しの良い軽やかな生地です。
リネンらしいジャリ感のあるドライタッチで肌離れが良く、蒸し暑い季節にも肌へまとわり付きにくい、清涼感のある着心地をお楽しみいただけます。

生地には透け感があり、合わせるインナーの色がうっすらと重なります。白や生成りで自然に馴染ませるのはもちろん、黒や鮮やかな色を内側に差し込むことで、シンプルな装いにもさりげない変化を加えられます。
・Hard Twist Yarn Horse Cloth Collarless Shirt(DARK BROWN)



こちらの生地、綿とリネンの強撚糸を高密度に織り上げた馬布(ばふ)と呼ばれる生地を使用しております。
馬布とは、かつて乗馬の際に馬と鞍の間へ敷かれていたことから名付けられた、高密度の平織り生地です。非常に軽量でありながら丈夫で、パリッとした強いハリを備えています。
そちらの生地にバイオウォッシュを施すことで、高密度に織り上げた生地の硬さが和らぎ、馬布らしいハリはしっかりと残しながら、柔らかくナチュラルな風合いに仕上げられています。

襟やカフスを省いたミニマルな形とも相性が良く、シャツとしてはもちろん、薄手のブルゾンに近い感覚でも取り入れていただけます。
YUTA MATSUOKAの作品の中では比較的取り入れやすい価格帯ですので、初めてブランドの服に触れる方にも手に取っていただきやすいのも嬉しいところです。
個人的にもおすすめしたい形ですので、是非店頭で袖を通してご覧ください。
※YUTA MATSUOKAの作品はこちらからご覧いただけます。
執筆者 中村鴻大


