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カート

カートが空です

2026AW

デニムが真面目な顔してる

デニムシャツと聞いて、まず思い浮かべるのはインディゴブルーのウェスタンシャツでしょうか。
胸元にフラップポケットが付き、スナップボタンが並ぶ少し無骨なデザイン。私自身、デニムシャツと聞けばやはりそういった姿を想像します。


だからこそ、このシャツを見た時には妙な違和感がありました。

SH04B ワイドスプレッド Denim(BROWN)




横方向へ一直線に近いほど大きく開き、ほとんどホリゾンタルカラーのようにも見えるワイドスプレッドカラー。タイドアップした際にはノットが美しく見える、フォーマルな印象の強い襟型です。


そこに使われているのが、コットン100%の8ozデニム。デニム生地で仕立てられたワイドスプレッドカラーシャツなんて、私はほとんど見た記憶がありません。デニムシャツとして思い浮かべる姿から大きく外れているのに、奇をてらったようには見えない。その感覚がこのシャツを面白くしています。




襟端ギリギリを走るステッチに、全体を縫い上げる細かな運針。袖には既製品のシャツではほとんど見かけることのない2枚袖のパターンを採用。





デニムというカジュアルな生地を使いながら、細部に目を向けるとドレスシャツやビスポークシャツを彷彿とさせる緻密で繊細な仕立てがSans limiteらしい。


もう一つ目に留まったのが、定番展開されているシャツよりもひと回り大きなボタンです。




シャツとしては少し厚みのあるデニムに、この大きめのボタンが並ぶことで、シャツブルゾンのような雰囲気も感じられます。
前を閉じればシャツとして、開ければ軽い羽織として。着方によって見え方が変わるのもこの作品の面白さです。


袖を通してみると、生地にはデニムらしい程よいハリがありながら、一般的なジーンズに使われるような厚手のデニムほど重さはありません。シャツとして一枚で着るにも、季節の変わり目に羽織るにも使いやすい厚みです。




デニムシャツと聞いてまず思い浮かべるブルーではなく、BROWNという色味も新鮮に感じます。
洗いをかけていても色はまだ深く残っているので、無骨さや野暮ったさが前に出すぎず、落ち着いた雰囲気に仕上がっています。


気兼ねなく着て、洗ってを繰り返すうちに袖口や肘、前立てには少しずつアタリが現れ、ブラウンの色も徐々に褪せていく。生地のハリも少しずつ落ち着き、今より柔らかくなっていきます。



今の姿ももちろん良いのですが、むしろここからどう変わっていくのかが楽しみです。


丁寧に仕立てられたシャツが、着込むほどにシワを刻み、洗うほどに色味がフェードしていく姿はきっと格好良い。


このシャツは綺麗なまま大切に着るというより、何度も着て、何度も洗ってこそだと思います。
数年後にどんな姿になっているのか、経年変化が楽しみなシャツです。

 

※Sans limiteの作品はこちらからご覧いただけます。



執筆者 中村鴻大

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