籠染め生地でもう一型
ワークウェアとして作られてきた古い衣服には、身体の動きを妨げないための細かな工夫が随所に施されています。
画家や芸術家が制作の際に作業着として着ていたというアトリエスモックも、その一つです。肩や背中を動しやすいように生地をたっぷりと使い、タックやプリーツによって必要なゆとりを持たせた作りが特徴です。
今回は、そんなそんなアトリエスモックをもとに作られたKLASICAのシャツをご紹介いたします。
・Mixture of Smock and Shirts “SH-038”-MN(GRAY)

・Mixture of Smock and Shirts “SH-038”-MN(ECRU)


「Mixture of Smock and Shirts」という名前の通り、古いアトリエスモックに見られるゆとりある構造に、スタンドカラーや前開き、カフスといったシャツの作りをミックスしたスタンドカラーシャツです。
肩幅と身幅には適度なゆとりを持たせたリラックス感のあるシルエット。
首元には左右から生地を寄せるようにタックを入れ、背面には襟の後ろから裾へ向かって伸びるインボックスプリーツを設け、さらにその左右にもタックを入れることで、たっぷりとした分量を持たせながら、首元、肩周り、背中の運動量を確保した立体的な仕立てが特徴的。


装飾として加えられたものではなく、身体を動かしやすくするための構造が、身頃にふんわりとした膨らみのあるフォルムを生み出します。
袖口には幅のあるカフスを設け、ゆったりとした袖をすっきりと収めています。
首元や背面にはアトリエスモック由来のディテールを備えてつつ、襟や前立て、カフスによって、シャツらしい品の良い佇まいに仕上げています。


こちらの作品でも、前回のBlogでご紹介したロングシャツOver Sized Short Collar Shirts "SH-039"-MNと同じ、籠染めを施したウールモスリン生地を使用しています。
向こう側が透けるほど薄く軽やかな生地は、ウールならではの柔らかなドレープ感に加え、籠染めならではの揺らぎのある色合いが特徴です。
タックやプリーツによって生地がふんわりと広がり動きを見せることで、均一に染められた生地にはない豊かな表情が現れます。


アトリエスモックを思わせるワークな雰囲気がありながらも、単なる作業着には見えない上品な雰囲気。ゆったりとしたフォルムで気負わずに着られ、それでいて普段のシャツとは明らかに異なる佇まい。この絶妙なバランスに惹かれます。

シャツとしてはもちろん、前を開けてシャツカーディガンのような感覚で羽織るのにもちょうど良いバランス。程よい長さの裾は、ジャケットやブルゾンのインナーとしてレイヤードした際にも、装いのアクセントとして奥行きを演出してくれます。
気負わず袖を通せる親しみやすさと、普段のシャツにはない佇まいを、是非味わってみてください。
同じ生地を使用したロングシャツと着比べてみるのも面白いと思います。
※KLASICAの作品はこちらからご覧いただけます。
執筆者 中村鴻大


