ポコポコ、ぐねぐね
気温もだいぶ落ち着き、金木犀の香りがどこからともなく漂う今日この頃。秋だなぁと感じます。Solitary周辺の景色も気がつけば少しずつ秋らしくなってきました。



北陸では台風の影響で来週あたりまで暖かさが戻るようですが、朝晩はひんやりとした風が心地良く、ファッションが楽しめるのも嬉しい季節です。
シャツ一枚がちょうどいい時期。
シャツといえばSans limiteですよ。
THOMAS MASONシリーズの入荷や定番2本針シャツの再入荷が続き、シャツが潤沢に揃ってきましたが、そこへまた新たなシャツが届きました。
・SH04B ボックスワイド3本針シャツ ox(YELLOW / WHITE)


2本針に続き、3本針もオックスフォード生地でWHITEとYELLOWの2色が登場いたしました。
WHITEは問答無用でいいですね。


無地シャツとは思えないこの迫力。ブロード生地でもそうですが、白はシワやパッカリングによる陰影がわかりやすく、3本針の迫力がダイレクトに伝わってきます。

2本針シャツでは袖のはぎや袖ぐり、脇線に2本針のステッチを走らせていたのに対し、3本針シャツでは肩線とバックヨークにも太い綿糸による3本針のチェーンステッチが走ります。

糸調子を強くかけて縫製しているため、ステッチに沿って生地がギュッと縮み上がり、縫い目の周辺には不規則な凹凸が生まれています。
ボコボコというよりは、ポコポコ、ぐねぐねといった感じですね。こうして文字にするとなんだか可愛らしいですが、目の前にするとかなり強烈です。
肩から袖へ、バックヨークから背中へと波打つように連なったシワは、まるで生地そのものが動いているかのよう。


オックスフォード生地はブロード生地に比べると少し厚みがあるため、縫い縮みによって生まれるパッカリングもぷっくりとしています。
ブロード生地では細かく鋭いうねりが現れるのに対し、オックスフォード生地では一つひとつの凹凸に丸みがあり、膨らみのある独特な陰影が生まれています。

・SH04B ボックスワイド3本針シャツ ox(YELLOW)

本来ならば縫製不良とされるパッカリングを、わざわざ強く出すために縫い上げている。あらためて考えると、なかなか変わったシャツですよね。
綺麗に縫い上げる技術がありながら、あえて生地を歪ませ、均一ではないシワを作り出す。しかも、それを装飾として加えるのではなく、シャツを仕立てる縫製そのもので表現しているのだから面白い。
一見するとベーシックなシャツなのに、細部にはこれだけ大胆な遊びがある。
こういうところにSans limiteらしさを強く感じます。

これだけ激しく生地が波打っていても奇抜なデザインのシャツという印象にはならず、普段の装にもすんなりと収まるバランスの良さ。
白シャツに黒いパンツ、足元には革靴。そんなごくシンプルな組み合わせでも、縫い目のうねりや激しいパッカリング、不規則なシワが非常に印象的ですので、シャツ一枚で十分に見応えがあります。
上にジャケットやブルゾンを羽織れば、襟元や袖口から覗く生地の凹凸がアクセントになるので、もう少し寒くなってからも楽しめるシャツです。
白が良いと言いながらも、YELLOWもいい色なんです。
柔らかなクリーム色を思わせる淡い色合いで、穏やかな雰囲気があります。

個人的にはWHITEの迫力に目を奪われてしまいますが、YELLOWも捨てがたい...。
店頭では色だけでなくブロード生地との比較もできるので、是非袖を通して体感していただきたいと思います。
お店の周りでは、風に揺れる草花が黄色く色づき、枝先に実った柿も少しずつオレンジ色へと染まり始めました。木々少しずつ色を変え、夏らしい景色が日を追うごとに秋の装いへ。



ついこの間まで青々としていた景色が、いつの間にかこんなにも変わっているのだから、季節の移ろいは面白いものですね。
せっかく獅子吼まで足を運んでいただけたなら、お店の中だけで帰ってしまうには少し惜しい季節です。山々に囲まれたSolitaryだからこそ味わえる景色を是非。

※Sans limiteの作品はこちらからご覧いただけます。
執筆者 中村鴻大


