留めても、開けても
シャツと長袖カットソーの間にあるようなデザインが印象的なYUTA MATSUOKAのCollarless Shirt。
先日のBlogでは今シーズンの生地やシャツのデザインについてご紹介いたしましたが、今回は実際に袖を通した姿から、サイズ感や細部のバランス、着方によって変わる印象を深掘りしていこうと思います。
・Airflow Canvas Collarless Shirt(OFF WHITE)


169cm77kg、の私が着用しているのはサイズ2です。
肩幅と身幅には適度なゆとりがあり、全てのボタンを留めても胸や背中に窮屈な張りは出ず、身体の線を拾い過ぎません。
ゆったりとした作りではありますが、アームホールはやや細めに設計されているため、袖から肩周りまで収まりがよくすっきりと見えます。

肩や胸に厚みのある私でも程よく余裕を持って着られ、決して細身ではないものの、必要以上に大きくも見えないサイズ感です。
このシャツを軽やかに見せているのが、襟やカフスを省いた簡素な作りです。
首元には襟も台襟もなく、首に沿う細いラインだけが残されています。上までボタンを留めてもかしこまった印象にはならず、カットソーを着るときのように力まず取り入れられます。


背面にはヨークを設けず、背中心に一本の縫い目を走らせたのみ。肩から裾へと生地が途切れずに続くことで、リネンのシワや柔らかな動きが背中全体に広がります。正面では一般的なシャツよりも大きめのボタンがささやかなアクセントとなり、後ろ姿では装飾を抑えることで、生地そのものの質感がしっかり表れています。

袖口にもカフスによる堅さがないため、そのまま着ても、袖を軽く捲ったときにも仰々しくなりません。

前を開けると、ボタンや前立てによってシャツの姿を残しながら、薄手のカーディガンや羽織に近いバランスへと変わります。襟がないことでTシャツの首元ともぶつからず、さらりと羽織るだけでも収まりが良く、ボタンをいくつか留めて着方に変化をつけることもできます。

60番手単糸で織り上げたリネン100%のキャンバス生地は、キャンバスという名前から想像する厚みや硬さとは異なり、光を通すほど薄く軽やかです。細かな織り目やリネンならではの節とネップ、洗いによって生まれたシワが重なり、ナチュラルで素朴な風合いを見せています。


ボタンを留めればカットソーのように気軽に着られ、開ければカーディガン感覚で羽織ることもでき、気温が下がる春先や秋口では、ジャケットやコートの内側にも収まりの良い汎用性の高い作品です。
シャツとしての雰囲気は残しながら、その堅さだけを取り除いたようなデザインは、季節や装いに合わせて着方を変えて、自由にお楽しみいただけます。
是非一度袖を通してみてください。
※YUTA MATSUOKAの作品はこちらからご覧いただけます。
執筆者 中村鴻大


