ふっくらとした白、軽やかな黒
昨日に引き続き、たくさん届いた新作の中から、本日はYUTA MATSUOKAのClassic Shirtを二着をご紹介いたします。
・Classic Shirt/クラシックシャツ(OFF WHITE)


・Classic Shirt/クラシックシャツ(SMOKY BLACK)


ふっくらとしたOFF WHITEと、ほんのりと柔らかなSMOKY BLACK。同じ形でありながら、二着を並べると色の違い以上に、生地の表情や佇まいの差へ目が向きます。
どちらにも異なる良さがあり、見比べるほどに悩ましい組み合わせです。
身頃や腕周りには程良いゆとりがあり、一枚で着ても窮屈過ぎず、ルーズにも映らない自然なバランスのシルエットです。
全体のバランスに対してやや大きく取られた襟とボタン、背面に設けられたインボックスプリーツも特徴的。これにより前を閉じればシャツらしく整い、ボタンを開ければ軽い羽織としても着用できるため、合わせ方によって表情を変えられます。


襟やカフスにはコバステッチを入れず、表から見える縫い目をできるだけ抑えた仕立てに。胸ポケットにもさりげない意匠が加えられており、遠目にはシンプルに見えながら、近くで見るほど細部へのこだわりが伝わってきます。


OFF WHITEに使われているのは、前回のBlogでもご紹介したRelaxed Fit Shirt(OFF WHITE-Print)と同じ、経糸に毛羽を取り除いた60番手の綿単糸、緯糸に綿とリネンのスラブ調の混紡糸で高密度に織り上げたカルゼ生地です。
斜めに走る畝と不均一な糸の節が重なり、無地でありながら平坦には見えません。
明るい色だからこそ、生地表面の凹凸や糸の揺らぎが細やかな陰影となって現れ、白一色の中にも奥行きが感じられます。

高密度に織り上げたことによるハリを持ちながら、生地を揉み込むことで、ふっくらとした柔らかさも加えられています。見た目には素朴で力のある表情ですが、触れてみると滑らかで、ほのかなぬめりを感じるほどしなやか。この見た目と手触りの違いも、この生地の魅力です。
SMOKY BLACKでは、100番手の強撚綿双糸と80番手のラミー単糸を高密度に織り上げた、比較的薄手の生地を使用しています。

細番手の糸による繊細さがありながら、強撚糸特有のシャリ感とパリッとしたハリと、ドライタッチな質感を備えています。肌離れが良く、汗ばんでもまとわりつきにくいうえ、通気性にも優れているため、蒸し暑い季節にも快適にご着用いただけます。
陽にかざすと光が透けるほどの薄さがあり、黒を基調とした色でありながら重さを感じさせません。

ワッシャー加工によって生まれたシワや細かなシボも、この黒を柔らかく見せる理由のひとつ。自然な風合いがありつつ、細番手の糸を高密度に織り上げたことによるしなやかさと上品な光沢も備えています。光が当たる場所ではわずかに艶が浮かび、影になる部分では色が深く沈むため、黒でも単調には見えないところも魅力です。
OFF WHITEではカルゼの畝やスラブ糸の節、ふっくらとした厚みが前に現れ、SMOKY BLACKでは薄さや細かなシボ、ほのかな光沢によって黒でありながら軽やかに映ります。
生地の凹凸や柔らかな質感を楽しめるOFF WHITEと、ドライな肌触りや軽快なハリを備えたSMOKY BLACK。
是非店頭で、二着の違いを袖を通して味わってみてください。
※YUTA MATSUOKAの作品はこちらからご覧いただけます。
執筆者 中村鴻大


