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2026SS

手仕事を味わうシャツ

先日のブログでは、多くの作品が旅立ってしまったことで、なかなか取り上げられていなかったAqellos Ojos Verdesのシャツについて綴りました。
折しも、朝晩はまだ肌寒さを感じるものの、日中は汗ばむほど暖かい日も増え、シャツ一枚でも心地よく過ごせる季節です。


春を迎えたばかりですが、ふとした瞬間にその先の季節を意識することも増えてきたように思います。
そういう時期には、来たる季節を思いながら、手に取るものを選びたくなります。


そんなタイミングで、Aqellos Ojos Verdesから涼やかなシャツが届きました。



Authentic Linen Poplin Windsor Wide Collar Shirt(WHITE)




ぱっと見の印象は大きく変わらないかもしれません。以前にご紹介したシャツとモデルは同じです。
しかし、こちらのシャツは細部に目を向けていくと、その違いははっきりと感じられます。


その理由のひとつが、手縫いによる仕立てにあります。
Aquellos Ojos Verderでは定番の手縫い両脇ガゼットや手縫い袖付け。これだけでも既製品ではまず見かけない仕様ですが、こちらはさらに手仕事による仕立てが施されています。
見た目の派手さはなくとも、静かな高級感が漂ってます。

 

こちらはヨーク、袖ぐり。



ミシン縫製では生地に一定のテンションがかかるのに対し、手縫いの場合は必要以上に引っ張ることなく縫い上げることができます。
そのため、生地が自然な状態を保ったまま身体に馴染み、包み込まれるようなフィット感が生まれます。

 

本来であれば直線的に処理される部分も、手縫いであればわずかに曲線を描くように仕立てることが可能です。
丸みのある肩周りにあたるヨークや袖ぐりでは、その違いが顕著に現れます。

 

袖付けは当然のように後付けで前振り。
身体の自然な姿勢に沿うような立体的な仕様です。
見た目に大きな変化はありませんが、袖を通すと腕の収まりの良さを感じていただけます。

 

襟は直接肌に触れる部分だからこそ、ミシンと手縫いの違いが分かりやすく、着用時に心地よさを感じていただけるはずです。
縫い目が少なく、肌に触れたときの当たりも非常に柔らかい仕上がりです。

 

そしてカフスやケンボロ、ケンボロの閂止め、前立て裾といった細かな部分に至るまで、丁寧に手縫いで仕立てられています。
一見すると小さな違いに思える箇所ですが、そうした部分にも手が入ることで、全体の印象に奥行きが生まれています。

 

こうした仕立てには、デザイナーが惚れ込んだイタリアの手縫いシャツの技術が反映されています。
見た目の美しさだけでなく、着たときの雰囲気にまでしっかりと影響を与えている点も、このシャツの魅力です。

 

こちらの作品では、経糸に60番単糸、緯糸に80番単糸を打ち込んだリネン100%の平織り生地を採用しています。

 

細番手の糸を使用したことで、リネン特有の節や不均一な糸の揺らぎが現れたナチュラルな風合いでありながらも、ガサつきはなく柔らかさを感じます。


 

リネン特有の軽やかさもあり、わずかに透け感を感じられる生地です。
風通しも良く、さらりとした質感で、気温がさらに上がってゆくこれからの季節にも心地よく着用していただけます。


見た目の静かな佇まいとは裏腹に、着用した際には軽さや柔らかさ、手仕事の温もりを感じられるシャツです。
是非、袖を通してみてください。

 

執筆者 中村鴻大

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